しかし書評って久しぶりな気がするなぁ…。
宋文洲さんのモノの見方って好きです。メルマガも毎週きっちり読んでいます。何がすごいって、異国で起業(ソフトブレーンって会社を立ち上げ)、CRMソフトビジネスを中心に8年で東証1部に上場、でもってあっさりソフトブレーンの社長→会長を辞めちゃうのですから(で、現職のマネージメント・アドバイザーってどんな役職?)。
宋 文洲さんについて from 著者紹介
ソフトブレーン(株)マネージメント・アドバイザー。1963年中国山東省生まれ。85年に北海道大学大学院に国費留学。天安門事件で帰国を断念し、札幌の会社に就職するが、すぐに倒産。学生時代に開発した土木解析ソフトの販売を始め、92年28歳の時にソフトブレーンを創業。98年に営業など非製造部門の効率改善のためのソフト開発とコンサルティング事業を始めた。05年6月東証1部上場。06年8月会長を退任し現職に。
で、「やっぱり変だよ日本の営業」。ちなみに2002年4月(7年前)に単行本として出た本の文庫化ですので、若干の時代背景の変化はありますが、参考になる点は多くあるかと思います。まずは章立てから。
第1章 やっぱり変だよ、日本の営業マンの姿
第2章 営業のたくさんの「なぜ」
第3章 真実に目を向けよう
第4章 効率的な営業を実現するために
第5章 常識や習慣にとらわれないために
このうち前半の3章が日本的営業スタイルへの問題提起、4章5章が解決策(主にソフトブレーン製品「eセールスマネージャー」の効用)と言う構成です。
営業とかやったことがあると分かりやすいのですが、CRMとかSFAというツールは営業や顧客管理を「カン」とか「経験上」っと言った暗黙知から「見える化」するためのものです。その暗黙知に頼ったセールスが如何に非効率で精神論的になりがちかが前半で語られます。
現場や管理職が欲しいのは、やる気の宣言でも数字の羅列でもなく、各顧客の現状把握と問題点の整理、その解決策です。いやその通り。(そうしてデキない営業マンは営業会議に戦々恐々し、数字のノルマに押しつぶされて行く訳です。私のように)
では、その解決策が…eセースルマネージャーなわけです。宋さん自身、4章の冒頭で自社製品の紹介をすることを逡巡したそうです。この部分については同製品を使ったことがないので何とも言えません。舶来の某ソフトを・・・というならこちらを使ってみたいものです。
本書は前半3章をきっちり自戒し、如何に効率的に営業するかを考えるためのヒントと考えると7年経っても決して色あせていないと思います。そのくらい日本の営業は非科学的な領域です。それを他者の視点から指摘されただけでも勇気が持てました。
がんばれ、日本のセールスマン!
宋 文洲
日本経済新聞出版社
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「モノさえ良ければ」ではダメ
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