【映画】重力ピエロ

今更って気もしますが、重力ピエロを見て来ました。
ジャンルはサスペンス・・・ってかヒューマンドラマでしょう。

印象的なのは父(小日向文世)がガンを告白するシーンの「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」。この言葉とキャラクターが重苦しいであろうストーリーをどこか優しい空気に変えている気がします。一方で悪役・葛城 (渡部 篤郎)が表現する無邪気すぎるほどの罪悪感の欠如が対照的で、二人の”父”の有り様が端的に現れている気がしました。

結局のところ、「血は水よりも濃い」事実とそれを超える「最強の家族」愛の物語です。努力家(?)だが弟には敵わないと思っている兄・泉水(加瀬 亮)と、天才肌だが自分の存在を否定している(?)弟・春(岡田 将生)の兄弟に、連続放火事件と27年前の連続レイプ事件が重なって・・・、方法は違えども兄弟の行き着いた結論は同じ。それを知ってか知らずか、問いながら受け流す父。って、やっぱりファミリーもののヒューマンドラマじゃないですか。

いい味を出しているのが夏子さん(吉高 由里子)。意味深なシーンで現れては消え、物語の核心に迫るキーパーソン。起承転結の転を握るんだけど、かといって深くストーリーに絡まないあたりがナイスです。きっともっと絡んでたらお腹いっぱいな映画になっていたのではないかと思う次第。

とは言えね、最初に春が2階から飛んで来るところから始まって、最後も春が2階から飛んで来るところで終わる。結局そういうことなんですよね(って何が?)

シネマトゥデイより
ストーリー:遺伝子を研究する泉水(加瀬亮)と芸術的な才能を持つ春(岡田将生)は、一見すると仲の良さそうな普通の兄弟だ。そんな二人の住む街では、謎の連続放火事件が発生していた。泉水と春は事件に深く踏み込み、家族を巻き込みながら次第に家族の過去にも近づいていくのだが……。

【スタッフ】
監督: 森淳一
プロデューサー: 荒木美也子 / 守屋圭一郎
エグゼクティブプロデューサー: 豊島雅郎
原作: 伊坂幸太郎
企画・脚本: 相沢友子
音楽: 渡辺善太郎
撮影: 林淳一郎
主題歌: S.R.S

【キャスト】
加瀬亮
岡田将生
小日向文世
吉高由里子
岡田義徳
渡部篤郎
鈴木京香 他

公式サイト
重力ピエロ@映画生活
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【映画】ちゃんと伝える

大切なことを、ちゃんと伝えられていますか?

父(奥田瑛二)は高校の先生で熱血サッカーコーチ、子どもの史郎(AKIRA)はその教え子でサッカー部のキャプテン。父でもあり教師でもあるという複雑な関係が時に家族の関係を微妙にしてしまうのかもしれないですね。そんな関係が、父がガンで倒れた時から微妙に変化し始める。

作品は錯時法を使って時間軸を行ったり来たりしながら、人物の心情を少しずつ明らかにしつつ進んで行きます。物語の時間軸と語られる順序が一致しないため、余計に心に染みるものがあります。当然同じ場面が何度か出て来るのですが、物語中の未来を知っているか否かで場面の持つ意味が大きく変わって来ますよね。物語の順序を再組み立てするのも意識することなく見ることが出来ると思います。

【以下ネタバレ注意】非常に印象的だったのは、史郎が自分もガンであることを知ってから、父の回復を祈る一方で、父に早く死んで欲しいと思うようになったことを独白すること。親よりも先に死ぬことの親不孝さを、こういう表現でしか表せないあたりに「ちゃんと伝える」と言うタイトルが響いて来ます。また、最後に父が「ちゃんと伝えなきゃな」と言って倒れるシーンも非常に印象的です。やはりお互いにわかり合いたい/わかり合えていないと言う気持ちがあったのかと思われます。

映画のクライマックスは史郎が父との最後の約束を果たすシーンでしょうか。そこに家族や友人が迎えに来たシーンで泣きました。あり得ないかもしれないけど、自分が父や母に何がしてあげられるだろう、そう考えると涙が止まりませんでした。映画の最後で史郎に寄り添う恋人の陽子(伊藤歩)に自身のガンを打ち明けるシーンもジーンと来ます。まぁ、父より酷いと宣告された史郎のガンはどうなったのか・・・はこの映画では触れてはいけないんでしょうね。

優しくて少しバカな、ともかく泣ける良い映画だと思います。
自分の家族、両親や妻に「ちゃんと」伝えられているのか胸が痛いです。

シネマトゥデイより
ストーリー:毎日1時間だけ父親が入院している病院へ通う史郎(AKIRA)だったが、ある日、自らの体も病に冒されていたことを知ってしまう。父親より病状は悪く、父親より余命が短い可能性が高いという不測の事態に襲われた史郎は、家族や恋人のことを思うばかりに、そのことを誰にも言えずにうろたえてしまう。

【スタッフ】
監督・脚本: 園子温
プロデューサー: 梅村安
エグゼクティブプロデューサー: 丸茂日穂
撮影: 上野彰吾
照明: 鳥越正夫
助監督: 天野修敬
録音: 西條博介
美術: 大庭勇人
編集: 伊藤潤一

【キャスト】
AKIRA(EXILE)
伊藤歩
高橋惠子
吹越満
綾田俊樹
諏訪太朗
佐藤二朗
でんでん
高岡蒼甫
奥田瑛二 他

公式サイト
ちゃんと伝える@映画生活

【映画】サマーウォーズ

おばあちゃん大好き、そして偉大。

サマーウォーズ(ってネタじゃん!)
時をかけない少年(ポスター02)
マトリックス+電脳コイル+青春ドラマって感じのアニメ映画。でも嫌いじゃ無い甘さが良かったです。仮想空間OZというセカンドライフ的世界が現実の警察やら軍事のアカウントと繋がっていて、そのOZにウィルス(AI)が侵入して現実世界が大変なことになって行くのを、家族の力=愛と根性で乗り越えるって話です(若干のネタバレありです)。

実は疲れとかクスリの影響とかで最初寝ちゃいました。起きたら夏希先輩の家で婚約者の振りをさせられてるところでした。アニメだし、映画だし、何でもありなんですが、旧家の集まりって何となくわかる(うちは名家でも何でもないけど)。

おばあちゃんの誕生日に家族全員が集まると言うところから話はスタートするのですが、迫力満点のおばあちゃんが大好きです。そんなおばあちゃんも・・・、健二君と最後に話をするときの優しい雰囲気が私的には映画のクライマックスでした。

上田合戦の講釈をする分家のおじさんが新潟からイカ釣り船を持ち込んだり(門を破壊して!)、電気屋の親戚がスパコン持ち込んで空冷に氷を使ったり、自衛隊のミリ波レダーを回線に使ったり、後半の決戦部分はネタ的な様相を見せて行く訳ですが、あとは実際に映画を見て判断してください。

そしてメールやwebサイト、twitter、Dropboxなどネットサービスに依存しきっている今の生活でそれがストップしたらと思うとぞっとします。そう言う意味では意図したかどうかはともかく、「高度情報化社会」への警告でもあるように思えます。

ともあれ、家族って良いな、そんな優しい気持ちになれるはずです。

シネマトゥデイより
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。

スタッフ
 監督: 細田守
 脚本: 奥寺佐渡子
 キャラクターデザイン: 貞本義行
 作画監督: 青山浩行
 アクション作画監督: 西田達三
 美術監督: 武重洋二
 音楽: 松本晃彦
キャスト(声の出演)
 神木隆之介
 桜庭ななみ
 谷村美月
 仲里依紗
 富司純子
 他

サマーウォーズ@映画生活
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