CSS Nite LP, Disk 8「Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映」(2010年1月9日開催)に参加して来ました。
ここ数年の課題であるweb解析(アクセス解析)。2005年にGoogle Analyticsが登場し、それまで高嶺の花(ツール導入だけで20万円以上!)であったweb解析が急速に普及しました。しかしツールは安価で使えるようになりましたが、「使いこなせているか」「業務に活かせているか」という部分はまだまだです。
そこで今回のCSS Nite LP, Disk 8「Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映」。web解析界の巨匠たちによる非常に内容の濃いセミナーでした。そして宿題がいっぱい出た感じです。
本セミナーのセッションと自分に響いたポイントは以下の通り。
Google Analytics ベーシック
小杉 国太郎さん(グーグル株式会社)
- Google Analyticsのツールとしての基礎知識に関するセッション(用語やデータの解説や機能紹介、今後の追加機能など)
- この時点ですでにベーシックではないというか内容てんこ盛り
- Google Analytics活用のキモ→アドバンスセグメントとカスタムリポートの使いこなし
- アノテーション(2010.1より順次公開予定) →メモを付加することが可能に
- モバイルトラッキング(2010.1stQに公開予定) →日本のキャリアにもコミット予定
仮説検証型、かつ4つの対顧客戦略でデータを見る
~Google Analyticsを使った分析のあるべき流れ
- web分析の考え方を実際に考えながらレクチャー
- 3つのデータ解析視点
- トレンド(推移を見る)→ 時系列と文脈で見る
- ベンチマーク(比較する)→ 期間比較などから検証する
- セグメント化(分類してみる)→ ブレイクダウンして深掘りする
- 4つのサイト分析フェーズ
- 集客(流入)→ 参照元の分析
- 接客(回遊)→ 直帰率や離脱の分析
- 制約(コンバージョン)→ シナリオ分析、想定動線
- 再訪(リテンション)→ リピーター対策、利益最大化
ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善
〜ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析
Web制作会社のための、顧客が逃げないGoogle Analyticsレポーティング ~成果アップのための解析「報告」の実践
- 石井さんによる怒涛のトーク(漫談)
- アクセス解析レポーティングのポイント
- 目的と成果(発注サイド/制作サイドのwin-winな関係)
- 改善につながる解析の見所:「入り口回数」×「誘導率」
- エクセルを活用したレポーティング
- 月々の報告で見せるポイント
- 全体像→あっさり
- 前月の改善効果
- 効果を伸ばすためのポイント
- 次に改善するべき改善点
- リンクはユーザーへの提案、適切なリンクは接客・おもてなし
経営者視点のサイトリニューアル提案
~Google Analyticsを使った経営成果の算出法
- 淡々と重要なことを語られる方
- web制作会社の役割変化
- ネット広告→急伸、制作費→横ばい
- 広告費は売上を押し上げる投資、制作はコスト
- web制作単体ではなく、戦略・マーケティングレベルから携わる制作→web制作会社からweb活用支援会社へ
- 経営者視点のリニューアル提案
- 成果につながるwebサイトの構築
- 成果につながるユーザーのモデル化
- 見積算出の費用を提示・交渉 → 見積もり=市場調査
- web活用のパートナーとして
- 変革をもたらすのは我々webプロフェッショナル
- ほとんどの中小企業にとってwebのパートナーは制作会社
- webのスペシャリストからweb以外も含めたゼネラリストへ
以下、個人的な感想です。
Google Analyticsは無料でありながら非常に高機能なツールであり、web解析という業務はそれ以上に難しいですね。2009年にもCSS Nite in Ginza, Vol.30やWeb担当者Forum × CSS Nite「実践ワークショップ」第3回『アクセス解析ワークショップ』、安西さんによる「私的勉強会 解析しないと!」などいくつかのセミナーに参加しました。ただ、なかなか身になっていないのが実情です。
こればかりは知識の吸収もさることながら、実践が大事ですね。一人ではすぐに行き詰まってしまうというか客観的な検証が難しい面もあります。一緒にやれるパートナーが欲しいと思います。WWFジャパンさんの例ではないですが、ワークショップとかやってみてもいいですよね。
最後に今回も密度の高いセミナーを企画・運営してくださったCSS Niteの方々に感謝です。