2009年11月10日に開催された「CSS Nite 4周年記念イベント(Vol.40 reprise)」に参加してきました。今回のお題はHTML5です。
HTML5と言えば数年前から話題には上っていたのですが、いまいち実態の見えないものでした。この夏頃、W3CのXHTML2.0WGが年内で活動中止=HTML5に統合という発表と相まって非常に注目度の高い技術となってきました。
セミナーは3セッションで構成。1stセッションは矢倉さん(ミツエーリンクス)による先日のCSS Nite Ginza vol.40の再演、2ndセッションは山田さん(面白法人カヤック)による実験的HTML5活用術、3rdセッションは小山田さん(メタフェイズ)による実践的HTML5マークアップ講座といった内容です。
1stセッション「HTML5、きちんと。」by 矢倉 眞隆さん
HTML5の経緯からHTML5での変更点など、HTML5の基本を解説。追加されるAPIやタグ、特にsection要素を中心にした実例を紹介。section要素とアウトラインの関係がクローズアップされた気がします。従前のh要素による見出しレベルでのアウトラインは頭の片隅にあってマークアップしますが、その発展形なのでしょうか。
2ndセッション「HTML5のメリットを活かしたコンテンツアイデア」by 山田 敬美さん
今から使えるHTML5と言った観点で、webサービス「イケメンホイホイ」のFlash部分をHTML5で実現しようという意欲的なプレゼン。しかも対象をiPhoneに絞ることでブラウザの互換性など諸処の問題を一気に乗り越える発想に感服です。
3rdセッション「HTML 5(現段階の WD)のセマンティクスの実装」by 小山田 晃浩さん
こちらはsection要素の使い方を中心に、現時点でのマークアップのポイントを紹介。肝はやはりアウトラインを意識すること。マークアップのスペシャリストらしく、ブログ型のソースを事例にわかりやすく解説していただけました。
HTML5が現実的な選択肢となるのは2011〜2年頃じゃないかという登壇者の見解、つまりは仕様が固まり切っていないこととブラウザの実装状況がネックと言うのが現状です。その中で、「使えるところから使って行こう」というポジティブな発想がすばらしいですね。とかく目先のことに追われてしまいがちで、景気のいい話をあまり聞かない世相下で、まだまだ先の技術を実践されている、関心が高い人が多いことが救いに思えます。
懇親会では、益子さん@サイバーガーデン、千貫さん@KICKS Web、カメラマンの飯田さんとこれからの業界のありかたとか、仕事へのスタンスなど熱く語っていました。好きだけではやっていけないし、フリーランスor経営者という責任ある立場の中、仕事で収益をあげながら生活を確保していくことなんかについて、勉強させていただきました。
最後に。CSS Nite 4周年おめでとうございます。この間、雑誌「web designing」が創刊100号を迎え、web業界らしきものができて8年くらいかぁとか思っていたのですが、その約半分をセミナー等で支えて来られたことに感謝です。